林業に生きる
地域おこし協力隊
働く
2022年10月18日
角川畑ケ地区 大山進さん
大山進さんは、総面積の80%を超える戸沢村の森林の造林事業に、50年以上にわたり携わってきた林業のスペシャリストです。経営伝習農場(現農業大学校)を卒業後、1964(昭和39)年から林業に従事し、森林組合をはじめ事業体から杉の伐採や造林などの仕事を請け負い、こつこつと実績を積み上げていきました。私が住んでいる戸沢村内の造林事業の多くに携わってきたという自負があります。
30年ほど前、約12万㎡の山林や畑を取得しました。そんな時に、林業簿記を勉強する機会があり、勉強していく中で先生に帳簿を見せることがありました。先生は帳簿を見て、「このまま行くと、3年で破綻するよ。」と言われました。そこで、何か打開策がないかといろいろ思案していた中で、山形県でたらの芽の促成栽培をしている人がいるという話を聞きました。早速伺ったところ、たらの芽の促成栽培が南の暖かい地方から北上してきていて、山形県で栽培できる可能性があることがわかり、購入した畑を活用して栽培しようと教えを請いました。また冬の時期に、外で行う林業作業を徐々に縮小し、ビニールハウスを使って収穫作業ができることもありがたかいことでした。
実際に栽培を始めてみると、思うような生育にならないなどいろいろ問題があり、一筋縄ではいきませんでした。先輩農家さんに聞きながら、一つ一つ問題を解決していきました。その結果、順調に出荷できるようになり、少しずつ作付面積を増やしていくことができました。
取得した畑では他に、ワラビやネガマリダケなどを植え、出荷につなげました。また、タラの芽も10年程度で出荷量が減っていくため、新たな畑に植え替えなども行いました。
タラの芽も10年程度で集荷量が落ちていくため、別の畑に植え替えなども行い、全体の収穫量が落ちないようにしました。先駆者として戸沢村や最上地方で技術指導を積極的に行い、生産者を増やし最上地方での生産量拡大に貢献し、山形県内でも重鎮の一人として重責を担っています。
一方山林は需要に応じ伐採を行い、100年後の森林を守るため植林を行っています。
<下写真手前は、杉を伐採した後、植林したところ。右の丸太椅子に座って飲み物を飲みながら、杉の生育を眺めるそうで、100年後の杉林を想像している時が至福の時とのこと>