「村の役に立ちたい」
地域おこし協力隊
人
2022年9月30日
鈴木 英策さん(神奈川県出身)、綾子さん(山形県新庄市出身)
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戸沢村に来たきっかけは?
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地域おこし協力隊として、神奈川県から2015年8月に来ました。
もともと田舎に対するあこがれがあり、海外へのあこがれと併せてWWOOF(うーふ)という田舎の農場で働く(労働力=食事・宿泊)制度を使って、20代半ばにオーストラリア・カナダで2年間過ごした経験がありました。
その後、10年ほど首都圏で調理やレストランで勤務していましたが、田舎へのあこがれがあり、地域おこし協力隊の募集サイト(JOIN)を見て、いくつかの自治体に応募を検討しました。その中で、申込みが比較的簡単だった戸沢村を最初に応募したところ、送付後3日くらいに「この週末に首都圏に行く用事がある」と連絡があり、喫茶店で面接をしました。廃校になった校舎を使い、利活用を考えてほしいと言われ、面白いと興味を持ったところ、その場でいつ来るかという話になり、3か月後に戸沢村に行くことにしました。
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実際に住んでみていかがですか?
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山や自然が本当によく、自分の性格に合っていたので、何の苦労もなく入り込め、地域の皆さんにも温かく受け入れていただきました。人との距離が近く朝晩時間関係なく連絡が来たり、手伝ってほしいとお願いされることもあったが、苦にならなかった。しかし、雪深いこともあり、地域の人たちはいずれ帰るのではないかと疑心暗鬼な目で見ていたが、移住2年目に入るとそれもなくなり、より親密になれたように思います。
地域おこし協力隊の活動の一環として、廃校を活用して週末カフェを始め、地域の子供からお年寄りまで集まる場として賑わいを見せるようになった。
妻とはカフェがオープンした頃、開店祝いの花を頼まれて持ってきた花屋さんがお隣の新庄市に住んでいた奥様と知り合いで、鈴木さんのことが気に入り、紹介したのが出会いだそうです。まさに花キューピットの存在でした。
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暮らしはいかがですか?
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田植えや稲刈りを手伝って新米を食べたり、春の山菜・秋のキノコの味を楽しんだり、冬に備える赤かぶの栽培と食材づくり、そしてそれを育む雪深い冬、そういう四季を感じられることが一番楽しいです。都会にいる友人たちからは、SNSなどを通して生き生きした私の姿を見てとてもうらやましがられるほど、充実した毎日を過ごしています。
しかし、結婚することになり家を買ってリフォームした時、住宅ローンを組むのに一苦労しました。地域おこし協力隊として3年勤務しても非正規雇用の扱いでローンが下りず、とても苦労しました。地域おこし協力隊窓口や県などいろいろ相談しましたが、なんともならず課題として残ったなと感じています。
現在は、村内にある温泉施設「いきいきランドぽんぽ館」で支配人として勤務しています。ウォータースライダー付きの温水プールや砂風呂・薬草風呂・サウナなども完備されていて、食事をとることもできます。今はコロナの影響があり減っていますが、法事などの行事にも利用されています。また、昨年設立された「やまがた移住者ネットワーク」の副会長になって、移住促進や移住後の定住・定着の応援・サポート活動を行なっています。
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移住を考えている人に
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「こうではないか、ああではないか」などという先入観は持たなく来たほうが良いと思います。先入観を持って来ると、違った時のギャップを感じたときにストレスとなり、つぶれてしまう可能が出てくる。里山のすばらしさを感じることができる地域だが、雪を中心に育まれた文化でもある。お金がかかり、冬の不自由さがあり、そういうことでできた文化なので、そこを楽しめるかどうかがポイントになるように思います。
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今後の目標は?
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今のまま楽しく過ごしていきたい。毎年8月に開催されるボディビルディングの大会があり、それに向けて4か月かけて体を作るため、お金をかけて1室トレーニングルームを造った。そういうことも含めて、自分の時間を大事にしながら過ごしていけたらいいなと思っています。